労務問題を放置した場合のリスクとは?IT法務に強い弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月2日 by it-lawyer

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スタートビズ法律事務所 代表弁護士

スタートビズ法律事務所代表弁護士。出身地:京都府。出身大学:東京大学。 主な取扱い分野は、「契約書作成・チェック、問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、顧問弁護士業務、IT・スタートアップ 企業の法律問題」です。

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IT企業・Web・メディア企業において労働問題を放置した場合には以下のリスクがあります。

IT企業における未払い残業代放置のリスク

残業代は2年間以上にわたる期間について請求されるので,未払残業代の請求額は,1人あたり数百万円となることは全く珍しいことではなく,これが複数人に一気に請求された場合には,1000万円を超えることもあり,企業活動に大打撃を与えかねません。

また,未払残業代は,時効が2020年4月以降の残業から3年とされていますが,これは「経過措置」であり,今後5年になる可能性が十分あります。

しかもそれが,時効が2年から3年になったことで支払う残業代が1.5倍になり,5年になると現在の2.5倍になります。

さらに,残業代を請求する場合は,退職後になることが多いでしょう。退職後については,遅延損害金の利率が年14.6%となり,かなりの負担になります。

IT企業におけるメンタルヘルス問題

 この問題を放置したとして,弁護士から請求が来た場合には,解決金の額が大きくなってしまうリスクがあります。

また,裁判になって判決が出てしまう場合には判決文に会社名が出てしまい,インターネット検索で自社のコーポレートサイトよりも裁判についての記事が順位が高くなってしまうなど,レピュテーションリスクがあります。

IT企業における解雇,退職勧奨,内定取消しに関する問題

 不当解雇として裁判になってしまった場合には,年収の1〜2年分の解決金を払って解決せざるを得ないことは珍しくありません。

 退職勧奨についても,やり方を間違えると,退職勧奨以降の賃金を支払い続けないといけないことになります。 例えば,退職勧奨の場において,「解雇しようと思えばできる。」という発言は基本的にはしないようにしないといけません。

 内定取消しについては,採用決定後の調査や試用期間中の勤務状態などからして,面接などでは分からなかった事実(かつ,分かることが期待できない事実)がある場合にのみ可能となります。内定取消しが無効となった場合には,正規雇用したものとして給与を払い続けなければなりません。

IT企業における偽装請負

 ベンダ側である場合は,派遣事業の許可を得ていなければ、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。派遣事業の許可を得ていた場合でも、厚生労働大臣の指導・助言、改善措置命令、是正措置勧告といった種々の行政監督の対象となります。是正措置勧告に従わない場合には企業名が公表されるという重大なリスクがあります。

ユーザ側である場合でも,ベンダ側と同じく上記のような種々の行政監督の対象となります。また,労働者派遣法の義務を免れることを目的として、偽装請負による労働者派遣を受け入れた場合には、当該偽装請負が開始した時点で、当該ユーザが、派遣労働者(SEなど)に対し、ベンダにおける労働条件と同一の労働条件で直接雇用の申込みをしたものとみなされる(労働者派遣法40条の6第1項5号)ことにも注意が必要です。これについては驚かれるかもしれませんが,派遣労働者が当該申込を承諾する意思表示をした場合、派遣労働者と派遣先との間で労働契約が成立することとなるのです。

▼偽装請負についての解説記事はこちらから

IT法務に関する偽装請負で注意すべき点とは?IT法務に強い弁護士が解説

 

IT企業における労務問題を弁護士に依頼するメリット

これらのリスクを回避する方法は,IT企業・Web・メディア企業の労務問題に強みを有する弁護士と,日々情報共有しながら社内の規定や運用を整えておくことです。そうすれば,紛争の数を減らせますし,紛争化したとしても最善の対処ができます。

当事務所は、IT企業・Web・メディア企業の労務問題に強みを持ち,これまでに数多くの労働問題を解決してまいりました。まずはお気軽にご相談ください。

▼その他労務問題についての記事はこちらから

IT企業・Web企業特有の労務問題とは?IT法務に強い弁護士が解説

 

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スタートビズ法律事務所代表弁護士。出身地:京都府。出身大学:東京大学。 主な取扱い分野は、「契約書作成・チェック、問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、顧問弁護士業務、IT・スタートアップ 企業の法律問題」です。

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